韓国の現代アーティスト
イ・ブル
「Lee Bul: From 1998 to Now」 「大きな物語の崩壊」
リウム美術館






展示全てがほぼメタリックです。ユートピア的な都市や建築物を思わせる構造物に、ガラス、ビーズ、チェーンなど、目がチカチカしそうな装飾がされていますが、崩壊しそうです。
象徴的に表されたこの世界の意味するものは、現実にちゃんと結びついています。見たこともない景色のはずなのに、我々人類は、現にもうこの感じを知っているなと思ってしまう。
人の欲望が創り上げ、でも崩壊してしまうものたちを、未来の話ではなく、現実としてもうその上を歩いているのは確かでありながら、尚も人は夢想し作り続けることはやめないんだろうなと思いながら観ました。
数日後、日本のインフラについて、高度経済成長期に整備されたトンネル、道路橋、下水道の老朽化問題のニュースを見ながら、この展覧会を思い出しました。
アトラクションのようでいて、その場の感動では終わらず、その感覚は感じたその日から、自分の感じ方や考え方の中核となるところに根っこを徐々に降ろしていきます。
こうして、感覚に直に訴えかけられながら、考えさせられるのが現代アートだなあと感じました。




さて、コレクション展です。コレクション展はその美術館の所蔵作品が観られるから大好きです。わっ!会えちゃったという歴史的な有名どころがいっぱいです。企画展の余韻を残しつつ楽しんで来ました。


