日本美術展史上、最大規模のフェルメール展の大阪展に行ってきました。
フェルメールとの出会いは高校生の時です。美術予備校に通っていたときに先生から教えてもらい画集を見て感動していました。
今回、家族と本物を鑑賞することができました。
フェルメールの絵の魅力は、眺めているといつしかたちまちに、自分もそちら側の世界に入り込めるところです。まるで同じ世界の中にいるような錯覚です。
絵を眺めているのではなく、同じ世界の住人なのだという感覚。
観ている人に与えるその感覚は、天才フェルメールによって完璧に意図されたものです。
絵の中の登場人物の視線、構図、直に触れることができそうなほどの空気感と注ぐ柔らかな日差し、日常のなかにある食べ物や器や家具などが演出する空間の美しさ、人の身体を待とう衣類の質感、そうしたことの一つ一つが、絵の中の世界とこちら側の世界の隔たりをなくし、繋げてくれます。
とある遠い時代の、その美しい瞬間の中に、とても親しみをこめて、フェルメールによって招かれる感覚です。
そこは美しいだけではなく、愛あるメッセージが散りばめられています。
フェルメールの世界に招かれながら、気持ちが温まってくるようです。
美術館は、沢山の人で賑わっていましたが、それでもフェルメールは、絵の中の世界に、私をすっと繋げてくれました。
絵の中で深呼吸をし、絵の中の美しい色彩に触れ、絵の中の人に親しみを感じることができました。
絵筆に沢山の魔法をかけてくれたフェルメール。
またいつか、フェルメールの絵に会いに行きたいです。